アルトコイン情報局

仮想通貨MOD・製薬企業向けIoTのModumは危険!!

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製薬企業のためのIoT&ブロックチェーンにModumを選ぶべきでない理由

 

先日(2019年2月15日)、世界最大の仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)から5つの仮想通貨(暗号通貨、暗号資産)が上場廃止となりました。

今回上場廃止された5つのコインの中で、私が特に注目しているのがMOD(Modum、モダム)です。

ModumはIoTセンサーとブロックチェーンを使って、スイスの製薬会社のサプライチェーンにおける新たなトレーサビリティ・ソリューションを提供するスタートアップ企業です。

医薬品は温度管理の要件などに関してもっとも厳しい規制が敷かれている産業の1つであり、ブロックチェーンとIoTによる効率的で改ざんの出来ないデータベースというのは、製薬企業にとっても規制当局にとっても今度必須になるでしょう。

このように目の付け所は素晴らしいModumですが、今回世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスから上場廃止されてしまった理由とは一体何なのでしょうか?

この記事ではModumという企業が行っているビジネスや、協力関係にある企業だけでなく、仮想通貨MODとは何であるのかという事についても詳細を説明します。おそらくこの記事が、現時点においてModum(MOD)について最も詳しい日本語の情報源となるでしょう。その上で、なぜ仮想通貨MODが危険なのか、分かりやすく説明していきます。

Modum(モダム)とは?

Modumはスイスのブロックチェーン&IoTスタートアップ企業です。製薬産業をターゲットとしていて、IoTデバイスとブロックチェーンによってコールドチェーンを改善する事をミッションとしています。

コールドチェーンとは簡単に言うと、生産、加工、輸送から最終消費地までの移動過程で製品の温度を低く保ち、品質をキープすることです。

ブロックチェーン企業と書きましたが、Modumはブロックチェーンの開発は行っていません。独自のブロックチェーンを開発するのではなく、イーサリアム(ETH)とHyperledger Fabric(ハイパーレジャー・ファブリック)のブロックチェーンを使っています。まだ温度のみしか計測出来ませんが、IoTデバイスは自社で開発しています。

Modumが開発した温度を計測してデータをブロックチェーンに送信するIoTデバイスを、出荷時に商品と一緒に荷詰めします。梱包前にセンサーで商品IDを記録し、サプライチェーンの各地点でもセンサーの情報を読取ることで、輸送過程において各商品や規制が求める温度管理条件が満たされていたかどうかをチェックします。

温度条件はそれぞれの商品、企業に応じて、当然ですがあらかじめ定義することが出来ます。各サプライチェーンのポイントでスキャンしたデータを見れば、適切な温度の範囲をはみ出していたかどうかが分かります。

スマートコントラクトを使えばそのような事が起きた場合に、責任がある企業から自動的かつ迅速に返金を受けることが出来るでしょう。

医薬品・製薬産業は人の健康・命に直接関わってくる分野でもあります。当然ですが商品の管理要件は厳しく、今後もより正確で安全な商品管理を求める規制は強まっていくでしょう。

ブロックチェーンとIoTデバイスを使うことによって、非常に効率的なサプライチェーン・トレーサビリティの管理が実現出来ます。ModumのIoTセンサー、イーサリアムとHyperledger Fabricのブロックチェーン、企業向けのダッシュボードといったアプリケーションによって、製薬業界のサプライチェーン管理を変えようとしているのがModumです。

仮想通貨MODトークンとは?

このMODという仮想通貨は少し変わっていて、Modumのサービスを使うのに必要なものではありません。いわゆるユーティリティトークンでは無いということです。

MODを保有するトークンホルダーは、将来Modumが利益を出した時に役員会が決定する割合で、配当をイーサリアム(ETH)で受け取ることが出来ます

もう一つMODのトークン保有者が出来ることは、Modumが設定した4つのマイルストーン達成時に行われる投票への参加です。詳しくは後で説明しますが、現時点で既に2つのマイルストーンの達成と投票が完了しています。

言い換えると、これはModumのプロジェクトがきちんと進んでいるかをMODトークン保有者が確認するというイベントであり、事前に決められた各マイルストーンをModumが達成したと思った時に、実際にそうであるかを問う投票を行うというものです。賛成多数の場合、ロックされているMODの内の300万MODがModumチームが所有しているウォレットに送られます。

投票はMODの価値・価格にはほぼ関係がありませんので、MODホルダーの主な興味は未来の配当にあります。

ですがこのMODトークンが持つ、ほぼ配当を与えるだけという特殊な性質が、2019年2月に世界最大の取引所であるBinance(バイナンス)から上場廃止されるという大混乱を招いてしまった原因であると思われます。

Modumによれば、Binanceから上場廃止の理由は一切明かされなかったそうです。それどころか、事前の連絡も無く突然上場廃止されてしまったとのことです。しかしながらBinanceが公開している一般的な上場廃止理由にあるように、Modumプロジェクトに何らかのリスクや問題があるのは明らかです。

ですが仮想通貨MODを上場廃止したのはBinanceだけではありません。2018年12月に、同じく大手仮想通貨取引所であるKuCoin(クーコイン)もまたMODを上場廃止したのです。その後Binanceからも上場廃止になった仮想通貨MODは、売買出来るまともな取引所がひとつも無くなってしまいました

これはMODトークンホルダーにとっては非常に大きな痛手です。実際、Binanceから上場廃止が決定した翌日、MODの価格は一時30%以上も下落してしまいました。

仮想通貨MODのリスク・問題点

MODを保有することで期待出来るのは、先述の通りModumが企業として利益を順調に出して、役員会が支払うことを決定した場合に貰える配当です。

つまり、ModumのIoTデバイスとブロックチェーンを使用する顧客企業たちは、仮想通貨MODを使用することはありません。これ自体は問題ではなく、そのような企業たちはModumの利益を上げることによってMODホルダーへ配当が分配される可能性を上げてくれるので、間接的にはMODトークンの価値を上げてくれる存在です。

むしろ問題は、まだ規制が整っていない仮想通貨(暗号通貨)の世界で、未登録の証券と言って良いMODと、そのようなトークンを販売して資金を集めてしまったModumが今後どうなるのか全く分からない点です。

今後規制が強まっていく仮想通貨業界では、不確実なものを出来るだけ避けたいのが企業として当然でしょう。BinanceからのMOD上場廃止はある意味当然とも言えます。

MODを保有すれば将来配当を貰える(可能性がある)わけですが、Modumの株主になれる訳ではありません。仮想通貨に関する規制が整っていないという事は、MODホルダーは全く法律や規制に守られていない、非常に弱い立場にあるということです。

また、仮に将来Modumに利益が出たとしても、役員会の決定によっては配当が全然配られないこともあり得ます

ModumのFAQページによれば、配当の分配について以下のように書かれています。

スイスの法律により、会社が純利益の中から法定準備金として割り当てなければならない最小限の額が決まっています。その残りが、会社に再投資されるか配当の支払いに使われます。modum.io AG(アーゲーと読み、ドイツ語で株式会社の意)の役員会はどのくらいの額が再投資され、配当に支払われるのかを、会社、トークンホルダー、株主にとって何が最善なのかの評価に基づいて決定します。

つまり仮に利益が出たとしてもそれを会社に全て再投資することが最善だと判断された場合、何年もMODホルダーに還元されない事だってあり得るのです。

例えばAmazonも利益のほぼ全てを再投資に回すことによって、とてつもない生産性を実現しています。その代わり配当はありません。株主会社Modumの場合、トークンホルダーは株主ですらないのです。ただ配当の一部を貰えることに期待しているだけの存在であり、株主のように法律で定められた(つまり法律に守られた)存在ではありません。

Modumは上場企業ではなく始まったばかりのスタートアップ企業ですから、もちろん一般人が株式を買うことは出来ません。ブロックチェーンの可能性やスタートアップ企業の成長性を考えると、配当が貰える可能性があるMODトークンというのは一見良さそうに見えるかもしれません。

ですが実際は、本物の株主よりもはるかに悪い立場に立たされていると言わざるを得ないのです。

MODがModumのサービスに一切関係がないトークンであるという事は、Modumにとってただの資金源でしか無いということです。ビジネスを続ける上で売って運営資金にする以外全く使いみちがなく、規制が整っていなかった時にICOで多額の資金を簡単に集めるための手段でしかありませんでした。

またMODトークンの価格について、 Binance上場廃止決定後にModumのテレグラムで行われたAMA(Ask Me Anything, なんでも聞いて下さいという意味のQ&Aセッション)でCEOのSimon(サイモン)が以下のように回答しています。

About Modum price "The modum price is relevant for our shareholders (because we're also token holders) - but the token price is not commercially relevant for the success of modum.io"

日本語にすると、

「モダム(MOD)の価格は私達の株主に関係があります(なぜなら私達はMODトークン保有者でもあるからです) - ですが、MODトークンの価格はmodum.io(会社)の成功には商業的には無関係です。」

これはどういう意味でしょうか?つまり、株主がMODトークンを持っている限りは、MODの価格はModumの株主(主に経営陣やアドバイザー等だと思いますが)の関心事ですが、一度MODをある程度の高値で売ってしまえば、MODの価格はもうどうでも良いということです。

当然ですが、株式会社modumはMODを徐々に売ることによって運営資金を補填していきます。つまり時が経てば経つほど、MODの価格は株式会社modumにとってどうでも良い事になっていき、MODの価格を維持するためにMODトークン保有者に対して高額の配当をチラつかせる必要がなくなっていくということです。

初期の段階では(もし利益が出ればですが)配当をMOD保有者に少し配るというポーズを見せるかもしれません。ですがこれは、運営資金を得るためにMODを売る前に、MODの価格が下がってしまっては困るからです。

長期的に見て、株式会社modumが出した利益は会社への再投資か実際の株主(現時点ではほぼ全員関係者でしょう)への配当に使われるようになるのは明らかです。つまり、MODトークンはmodumが仮に長期的な成功を収めたとしても、価格が墜落していく可能性が非常に高いということです。

プロジェクトとしてのModum(モダム)のリスク

さて続いて、仮想通貨のMODトークンでは無く、プロジェクトとしてのModumのリスクです。

Modumが成功するためには、彼らの技術が広く受け入れられ、製薬業界のサプライチェーンに技術採用される必要があります。

ブロックチェーンの開発力が無く、スケーラビリティに関してリスクが大きい

まず問題点の1つ目は、ブロックチェーンの開発力が無いことです。

ModumはIoTデバイスで記録したデータを保存する先のブロックチェーンとして、Ethereum(イーサリアム)とHyperledger Fabric(ハイパーレジャー・ファブリック)を採用しています。

これは単純に、独自のブロックチェーンを開発する余力がないため、他のブロックチェーンの中からModumに合うものを選んだという形でしょう。

MODはイーサリアム上でICOを行った、いわゆるERC20トークンです。そのためブロックチェーンとしてイーサリアムを選ぶのは自然な流れでしょう。しかしイーサリアムのブロックチェーン上では他にも数多くのプロジェクトが動いている上、送金の遅延や混雑といった、スケーラビリティ(拡張能力)が度々問題視されています。

この問題はModumが頑張ってどうにか出来る問題ではありませんから、Modumのソリューションの採用を検討する製薬企業にとって大きなリスクとなります。

これが、Modumが2つのブロックチェーンへの対応を迫られた理由です。つまりイーサリアムと共倒れになるリスクがあったからです。そのため現在Modumは、Hyperledger Fabricにも対応しました。しかしスケーラビリティの問題は依然として残ります。

Modumのメインターゲットとする産業が、もっと新技術に対して積極的な業界であれば良かったかもしれません。ですが、実際は最も保守的で新技術の採用に慎重な製薬企業をターゲットにしているのです。

超保守的な製薬会社ですから、スケーラビリティの問題が未だに解決していない他プロジェクトのブロックチェーンに頼っているModumを、積極的に採用するという望みは残念ながら薄いでしょう。

IoTデバイスの開発力も弱い

現時点でModumが提供しているIoTセンサーは、温度のみの計測にしか対応していません。既に利用可能なIoTデバイスを開発済みの上でICOを行ったModumでしたが、それ以降新しいIoTデバイスは発表されていません。

現在行っているパイロットプロジェクトでは、モーション関連の出来事を検知できる新しいデバイスの機能をテスト中ということです。いつになるかは不明ですが、今後の可能性としてさらに湿度、光、リアルタイムのコミュニケーション、ローカリゼーションといった部分に取り組む計画をしているようです。

IoTセンサー、デバイスの開発力が弱いと書きましたが、これはModumと同じくスイスから生まれたIoT&ブロックチェーンのスタートアップ企業、Ambrosus(アンブロサス)と比べてのことです。

IoTセンサー、デバイスの開発力はAmbrosusが圧倒的

Ambrosusは自社でIoTデバイスの研究所(Ambrosus Innovation Laboratory)を所有していて、すでにいくつものデバイスを開発しています。

AmbrosusのIoTセンサーは、以下のパラメータの検知も可能です(これだけでは無く、ただの一例です)。

  • 温度
  • 湿度
  • 露光
  • 加速/衝撃
  • 磁力計/磁気の定位
  • 圧力
  • 振動
  • Co2 / O2 /その他のガス
  • 距離(赤外線、超音波、レーザー、光距離計、干渉計など)
  • 高周波
  • 音の強さまたは周波数

さらにAmbrosusは、開封を検知出来るスマートインク、スマートシール、スマート等温ボックスなど、改ざん防止、不正防止のための総合ソリューションを提供可能です。

さらに2019年2月18日の進捗レポートで、Ambrosusの圧倒的な開発力を示す新しい情報が発表されました。

現在市場で調達可能なものよりもなんと5~10倍も安い、1セントになると見積もられているAmbrosusのIoTタグです。

この非常に低コストのシリアライゼーションタグによって、今後さらに厳しくなってくるトレーサビリティの規制に対して、企業は楽に対応出来るようになるでしょう。同記事によれば、全ての医薬製品は2021年までに個別に識別可能になる必要があるそうです。このような目的のために、Ambrosusは市場で最も費用対効果の高いIoTタグを企業向けにカスタマイズ出来るようです。

アンテナのみから成るこのタグには余計な電子部品が含まれておらず、最も持続可能で最も安い、安全で管理が簡単な優れたデバイスだという事です。

しかもこのタグはステッカーに印刷可能であり、不正な開封がされていないことを保証するシールとしても機能します。

Modumが活躍出来る範囲は非常に限られている

このように、既にIoTデバイスの開発においてAmbrosusに大きく差がつけられています。この差は今後も埋まることはなく、どんどん開いていく一方でしょう。

ヨーロッパの製薬企業がAmbrosusを採用した場合、様々なセンサーを用いて非常に高度な商品管理を、ブロックチェーンとIoT、カスタマイズされたダッシュボードによって簡単に行えるようになるはずです。

そうなった時、他の製薬企業も対抗するためには同レベルのソリューションを採用しなければなりません。

その点において、ModumのIoT開発力では実力不足なのは明らかです。

Ambrosusはブロックチェーンも独自のもの(AMB-NET)を開発していて、食品・医薬品(だけでなく他のあらゆる産業)のサプライチェーン管理やスマートシティを支える基幹システムとして、圧倒的なIoTセンサーの開発力を活かして拡大していくと思われます。

先述の通り、Modumはブロックチェーン開発を他のプロジェクトに依存していて、またIoTデバイスの開発力も弱いことから、ターゲットとしている製薬企業・医薬品産業から大きな支持を得られる可能性は非常に小さいと考えられます。

MODトークンも大きなリスクを抱えていて(そもそも上場廃止でまともに売買出来なくなってしまいました)、仮想通貨としては完全に死に体です。今から買おうとしている方は、再考の余地が大いにあると言えるでしょう。

仮想通貨MOD(Modum)の全てが分かる!特徴まとめ

 

仮想通貨に全財産投資は危険すぎます

仮想通貨は相場の変動が激しく、買うタイミングを正確に測ることは不可能です。どんなに魅力的に見える銘柄であっても、失っても全く問題ない額以上のお金を仮想通貨に投資するのは危険です。それだけは絶対に止めましょう。あくまでも参考までに、当ブログ管理人は5年以上の長期目線で仮想通貨に投資を行っています。短期の相場急落により、とてつもない含み損を抱える可能性も高いのが仮想通貨だという事を肝に銘じています。

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