仮想通貨SWM(Swarm)トークンのユーティリティ(使いみち)と価値


もしあなたがブロックチェーンや仮想通貨(暗号通貨)の情報をある程度の期間追っていれば、以下のような議論を見たことがあるでしょう。

Aさん: 何がビットコインの価値を決めるの?
Bさん: 何がものに価値を与えるかって?もし多くの人が何かを欲しがって、その供給が限られているなら、それを手に入れるための競争が起こって価格が上がるんだよ。ビットコインも同じでしょ。

これはかなり単純な説明ですが、おそらく間違っていないでしょう。しかし価値と価格を混同するというよくある間違いを伝えてしまっています。それはほとんどの場合正しくありません。仮想的なものの価値は、本質的にはユーティリティ(実用性)を理解することによって示されます。

Swarm(スウォーム)の進化において画期的な瞬間、つまり2つのパイロット(試用運転の)ファンドと共に投資プラットフォームの最初のローンチに近づいてきたので、この機会にSNSやイベント、カンファレンス等でよくある質問を掘り下げようと思います。

SwarmのトークンであるSWMの価値を決めるものは?

ホワイトペーパーの中で、SWMトークンに関連するガバナンスユーティリティの基本的な方向性は描きました。トークンセールの後、コミュニティメンバーはすぐにトークンを使うことが出来ました。SWMトークンの分配のタイミング等に関する流動的な民主投票です。それに加えて、Swarmネットワーク内でのトークンのユーティリティモデルやインセンティブ、力学についてさらなる発表をする時が来ました。

一般的に、ゲーム理論の要素であるインセンティブ(何かをすることへの動機)とカウンターインセンティブ(何かをしないことへの動機)は、ブロックチェーンプロジェクトにおいて新しいことではありません。分散化されたシステムにおいて、それらは望まれた行動を奨励するための中心となる機能です。

ビットコインのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)はネットワークの取引を承認する作業を行う動機をマイナーに与え、それによって安全を保証しています。数学的な問題をマイナーに解かせ、最初に答えを見つけたマイナーに金銭的報酬を与えることで新たなブロックを作り出しています。

2世代目のモデルであるプルーフ・オブ・ステーク(PoS)はより効率的に取引を承認します。新たなブロックの作成者は確定的に選ばれ、ブロック作成の報酬はありません。そのかわり、選ばれたブロック作成者は保有しているトークンの量、ネットワークへのステークに応じて報酬を得ます。言い換えると、PoSではインセンティブはコインを買って保有することにあり、マイナーは取引手数料を得られるということです。

いまわたし達はSwarmの設立者であるJoel Dietsが仮想通貨界の第三の波と呼んでいるものに触発されたプロジェクトが生まれるのを目の当たりにしようとしています。その第三の波とは、実世界とのより深い交流やコラボレーションを促進するようなインセンティブ・報酬を提供する分散化プロジェクトです。それは機械学習や人工知能を実装し、現実に存在する資産をブロックチェーンにつなげるものです。わたし達は今、ネットワークをサポートしてブロックを証明することを奨励するインセンティブから、システムの中心となる価値に加え。トークン保有者のコミュニティに対し重要なサービスを提供することに対し報酬を与える方向へ動いています。

NEOのユーザーはネットワークを作りスマートコントラクトの配置と実行の際GASを報酬として得ます。SIAトークンは十分な冗長性を持った分散データ保存ネットワークを可能にするため、データのホストがオンラインのままでいることに対しインセンティブを与えています。トロン(Tronix)トークンは世界経済を代替するものとして売り込まれました。TRXトークンを取引所にロックすればネットワークへの投票権が得られ、送金や売却が出来ないTP(Tron Power)トークンが作り出されます。

単純に言えば、わたし達はブロックチェーンをベースにした自己持続的なエコシステムの最初の兆候を目の当たりにしています。それは今の経済が抱える大きな非効率性を解放するものです。

この精神に則り、Swarmチームはクリプトエコノミック・トークンモデルに取り掛かっています。それはSwarmの中核ビジョンであるファイナンスの民主化よりも多くのことを達成出来るものであると信じています。わたし達はお金持ちや貧乏な人たちに平等にハイパフォーマンスな代替的投資機会を与えるだけでなく、それよりもさらに先へ行こうとしています。

Swarmでは、AIによって動作し、コミュニティによって統治される分散システムを作っています。そしてそれは、自己持続的で効率的な資産のマーケットプレイスに進化していくでしょう。

Swarmのトークンモデルやインセンティブ、力学について説明出来るのを嬉しく思います。

Swarmトークンのユーティリティモデル

もしあなたがわたし達のホワイトペーパーを読んでいるなら、Swarmが2種類のトークンからなるモデルを持っていることを覚えているでしょう。その2種類とは、
・Swarmトークン(SWM)- ネットワークの価値を表す、根幹を成すユーティリティトークン
・SRC20トークンスタンダード – セキュリティトークンの標準。このタイプのトークンは、各投資機会の管理者であるシンジケートから鋳造され、その投資の所有権を表します。

今回は、Swarmエコシステムの動力源として不可欠なSWMトークンを説明します。

SWMはSwarmプラットフォームにおいて3つの不可欠な機能を持っています。それぞれがユニークな価値を提供し、それぞれがネットワークからインセンティブを受けます。

ガスとしてのSWM

SWMは投資が機能するための動力源として、中核的な要素の役割を果たします。

投資の側面からすると、ファンドマネージャーは新しい投資機械をローンチし、必要な期間運営し続けるときにSWMを支払う必要があります。これをGFO(Gas for Fund Operations・ファンド運営のためのガス)と呼びます。GFOは以下の性質を持ちます。

  • GFOはNet Assets Under Value(ドルベース)のパーセンテージに応じて計算され、SWMで支払い可能
  • ファンドの運営のため、GFOは必要に応じて継続的に引き出される
  • 将来的には投票により変更可能だが、最初のGFOは0.6-1.0%の範囲になる

ファンドマネージャーは必要と期待されるGFOに応じて、SWMの量を維持し続ける必要があります。マネージャーは自分にとって最適なSWMの購入時期を計画することが出来ます。マーケットの動き、自身の専門的な分析、将来の投資の要求を考慮に入れて、です。将来的にこれは完全にAIによって動作するようになります。例えば、不動産ファンドが1年以内に大きな投資を行うことが予想されている場合、今の価格でSWMを補完することや既知のマーケットの状況から有利に立ち回れるかもしれません。

GFOから集められたSWMは自動的にスマートコントラクトに送られます。このスマートコントラクトは、プルーフ・オブ・サービスのプールの役割を果たします。このプールは監査、会計、マーケティングなど、付加価値を提供する第三者に対する報酬に使われ、プラットフォーム全体に価値を付加し、成長を促進します。

ファンドマネージャーと逆サイド、つまり投資家側の話をします。投資家は投資に対し資産を割り当てる際、SWMを支払います。これをGCD(Gas for Capital Deployment・資産配置のためのガス)と呼びます。GCDは伝統的な投資における配置手数料(placement fee)と同様なものと考えることが出来るでしょう。これは他のプライベートエクイティの資産配置と違い、取引可能性や流動性をもたらします。ファンドに直接GCDを支払うのではなく、Swarmは投資家に戦略的な選択肢を提供します。

その選択肢とは、

  • リクイディティ(流動性): 投資家は自身の投資に関して、流動的で取引可能な状態を維持することを選択出来ます。この場合、対応するGCDは失われます。ただし、投資による通常の収益(リターン)は得ることが出来ます。
  • コミットメント(約束): 投資家は一定期間、自身の投資をロックすることが出来ます。その期間、対応するGCDはロックされます。ロック期間の終了時に、資産と収益とロックされていたGCD全額が払い戻されます。投資家は最初だけリクイディティを選び、その投資に安心感を得た後でコミットメントに移行することも可能です。その場合、最初のリクイディティの期間に、その期間に応じた割合だけGCDは失われます。将来的には投票により変更されるかもしれませんが、最初のGCDは1.0-1.5%の範囲になるでしょう。

戦略的にGCDのロックを選択することはプルーフ・オブ・コミットメントとして働きます。それは投資家とファンドマネージャー両者にとって大きな恩恵をもたらします。

  • ファンドマネージャーは、ファンドにどれだけの投資がロックされているのか把握しつつ運用出来ます。また、定期的に収益を払い戻すことなく、元金をリサイクルしたり再投資出来ます。これにより、より多くの蓄えを前提にした資産の選択が可能になります。
  • GCDをロックした投資家は、自分で決めたロック期間の終了時に、より高くなったSWMの価格から恩恵を受ける可能性があります。

Swarmのプルーフ・オブ・コミットメントはとても大きなパワーを持っています。そのため、わたし達はそれを奨励するためにさらなるインセンティブメカニズムを導入しています。それは資産のコミットメントが戦略的に重要であるファンドにとって特に重要でしょう。
ファンドマネージャーは投資家のGCDに対し、好きな割合で自身でもGCDを提供することが出来ます。これはロック期間終了時の投資家にとっての収益の可能性を大きく広げるでしょう。例えばカリフォルニアで、資産コミットメントが重要なソーラーパネル設置のプロジェクトがあるとします。もし3年間のロックに対して2:1の割合でGCDを提供するなら、コミットメントを選択した投資家はロック期間終了時にロックしたSWMトークンが2倍になるボーナスを受けるということです。これがファンドマネージャーのGCDマッチングインセンティブです。

GCDのプルーフ・オブ・コミットメントは、投資家が配置したガスを効率的に中和し、収益を底上げします。一方で、ファンドマネージャーは計画性と確実性を得ることが出来ます。つまり両者にとって得があるということです。

声としてのSWM

おそらくこれがSwarmのプラットフォームにおいて最も革新的な機能でしょう。この機能にわたし達はとても大きな情熱をもっています。それは流動的民主投票モジュール(Liquid Democracy voting module)です。Swarmは中核にガバナンスが組み込まれていて、全てのレベルにおいてそれが言えます。ブロックチェーンは支払い手段や価値の保存、分散アプリケーション(Dapp)APIを超えて成熟しつつあります。わたし達はブロックチェーン上に現実の資産を置く時代に突入しているのです。アートの設置、マリファナの工場、コミュニティにより資金提供されたインフラなどが全てブロックチェーン上で概念化され、議論され、クラウドファンディングされ、実現され、管理されます。これらの機能は全て、ガバナンス(統治・運営管理)のレイヤーがなければ働きません。そしてそれはSWMの最も根本的で重要なユーティリティなのです。

投資に対する直接のガバナンスは必要かつ重要です。またわたし達はSwarmを仲介人にしようとしている訳ではありません。最終的なゴールは、独立して統治された契約、つまりDAO(自律分散組織)のアップグレード版のようなエコシステムを設立することです。

トークン保有者のコミュニティは、個々の投資に対しても、またプラットフォーム全体の方向性を決める事案に対しても投票します。少数派や以前に権利を剥奪されたステークホルダーも自分の声を届けることが出来ます。

ガバナンスはSwarmから切り離せないものです。ガバナンスなしにSwarmは機能しません。交流を促進するために、土台のレベルでSwarmはプルーフ・オブ・パティシペーションのプールに予算を割り当てます。個々人は投票したりシステム向上のために行動をすることで、SWMトークンを報酬として得られます。提案をする際、一旦SWMを支払う必要がありますが、これはスパムと区別するためです。全ての良質な提案はSWMの払い戻しを受けられます。スパムと見なされた提案はSWMを失います。これはそれぞれの投資機会においても同様です。それぞれのトークンプールのメンバーは、直接その統治に参加出来るのです。

流動民主制(Liquid Democracy)を通じて、特定の分野に精通した他人に投票権を委託することが出来ます。この委託により、より情報を多く持った個人が報酬のインセンティブとともに大きな投票力を持つことが出来ます。しかしそれはまた説明責任、透明性、全参加者が委託先をいつでも変更可能であるという不変の力を持っていることによりバランスが取られます。これを新たなガバナンスモデルに進化し得るものと捉えることも出来るでしょう。そのモデルでは、実力主義が専門的なガバナンスに導かれ、以前より非常にダイナミックで優れた意思決定がなされます。これこそがわたし達が待ち望んでいた民主主義です。

価値としてのSWM

SWMの価値はインセンティブと報酬としての力から直接発生するものです。その力は、資産管理を資源効率性と結びつけ、コミュニティのふれあいを強め、プラットフォーム内で価値を生み、その価値を保つものです。

全ての関係者にとって、システム内での最適な行動ははっきりしています。

  • 投資家は資産を割り当てるとき、2つのパワフルな戦略から選択します
  • ファンドマネージャーはそれぞれが持つ専門知識に応じて、運営に何が必要かを計画し最適化します。そしてさらに、GCDのマッチングインセンティブを通して競争します
  • インフラ・サービス提供者は継続して革新し、より少ない資源でより多くを届けるという高潔な競争サイクルを追い求めるという動機を持ちます

最初のガスの価格における金銭的方針は設立者によって定められますが、将来の方針は参加者によって 反復的に投票されます。システムの統治に参加する3つのグループ全ての参加者が、全てのステークホルダー間での交流に成功すれば、Swarmの設立者は今の計画者・管理者という立場から、徐々に助言者や案内人という立場へ変わっていくでしょう。

将来は

Swarmには明確なビジョンがあります。2014年の最初の設立から、わたし達はミッションを達成することに非常に集中してきました。そのミッションとはSwarmをプライベートエクイティのためのブロックチェーンにすることです。そして今、わたし達はMVPとなるものをローンチしようとしています。ほんのあと数週間の間に、わたし達の約束を果たすことが出来るでしょう。それはハイリターンをもたらすであろう代替的なアセットクラスを全員に届けること、ブロックチェーンやAIで投資を継続的に向上させること、持続可能性やイノベーションをコアに持ち、現実世界と互換性があり分散され弾力性のあるネットワークをもたらす革新的なガバナンスモデルを配備することです。わたし達が強く信じていることは、あなたが仮想通貨界の内部の人間やファミリーオフィス、日常的な投資家(everyday investor)の誰であっても、今ならSwarmにおいて投資や投資ポートフォリオをローンチする使用事例があるということです。

Sam Stone著(2018年1月13日)
翻訳 from
Swarm. Token Utility and Value.

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