ブロックチェーンはシェアリング・エコノミーをどう変えるか

ブロックチェーンとシェアリング・エコノミーの親和性

過去10年間でシェアリング・エコノミーがどうやって爆発的に普及したかを考えてみてください。もしあなたがUber(ウーバー)で空港に行ったり、Airbnb(エアビーアンドビー)で家を借りたりしたことがあるなら、あなたもその立役者の1人です。

今は、個人の所有物を借りることが実行可能なビジネスモデルとして成り立つ状況にさえなっています。例えば、Omni(オムニ)はあなたが使っていないものを保管します。通常の倉庫会社が保管するように。でも、彼らはそれらを貸出もしてしまいます。スキー板、ギター、ウィンタージャケットなどであってもです。所有者の許可さえあれば、アプリを通じてそれら全て貸出可能です。

結局はあとで自分で使うことを予定しているので、所有しているのです。それか少なくとも自分にそう言い聞かせているのです。なぜそのまま放置しておく代わりに、それを使ってお金を稼がないのでしょうか?それがシェアリング・エコノミーの核となる質問です。今後数年で、Omniのようなビジネスがたくさん出てくるでしょう。

さらにブロックチェーンがここに関わってくるとどうなるかを書きたいと思います。

価値を変える

最先端のシェアリング・コンセプトが上手く働くためには考慮されるべき事項がたくさんあります。すべてのものが記録され、本物であると証明され、現在価値を割り当てられ、保険すら掛けられなければなりません。この点でブロックチェーンはとてつもなく役に立つのです。

例えばギターをブロックチェーンに登録するとしましょう。理論的には、それがどこにあるのか、今の価値や状態といった情報にアクセス出来るでしょう。

これはあなたが思うほど突拍子もない話ではありません。7年前、友人がとあるプラットフォームのビジネスプランを送ってきました。そこでは人々がアートを貸し出すことが出来ます。それを今振り返るというのは面白いことです。なぜなら今は、実際にそれを実行可能なのですから。そして貸借やリース契約などはその一部にすぎません。

ブロックチェーン上の包括的ななアート・エコノミーを想像してください。アートの一部を個人が所有出来るのです。
私たちはモノにマイクロチップを付けることができ、それをブロックチェーンに登録することが出来ます。それによって人々は高額なアートを借りて、数年間オフィスに飾ることが出来るのです。それは権利に価値を与えたに過ぎません。もう一歩ふみこんで、実在するアートと、そのアートを表すデジタルトークンを紐づけてみましょう。そうすれば買い手や売り手がアートの一部に投資出来ます。1つのミケランジェロの作品に100人の所有者、というように。

責任の所在を移す

この賃貸システムにおいて、避けては通れない質問があります。あなたのモノに何かが起きたらどうするのでしょう?

年に一度しか鳴らさないギターを貸し出すのは良い考えでしょう。でももしそれが壊されたり失くなったりしたら?保険があれば安心でしょう。

わたし達は数年前にChronicledで、実際にこれについて考えました。わたし達が話していた相手は、映画監督が映画機材を貸し出すことが出来るプラットフォームを作った人たちです。しかし映画機材はとても高額なのです。レンズ一つで1万ドルしたりする世界です。でも保険をかける手続きはいつもそう単純ではありません。

なのでわたし達は、高価な資産が本物であることを証明するPoC(概念実証)を作りました。マイクロチップを付け、ブロックチェーンに登録するのです。それは、そのモノが本物であることの記録と、その状態についてのデータを結びつけるリンクになりました。モバイルアプリを通して、すぐに保険を購入することが出来ます。

このように素早く保険をかけるには、そのモノが何なのか、いくらするのか、今の状態はどうであるかについての利用可能なデータを持っている必要があります。しかし、もしそれらが全てブロックチェーンネットワークに集められ、保管されているなら、こういったデータを素早く取ってきて適切に保険をかけるためのプラットフォームを作ることが出来ます。

所有権の解放

このようなタイプの急進的なシェアリング・エコノミーが出現していくなら、わたし達がどのように所有権やモノの所有を考えるかについて、大きな変化をもたらすでしょう。

保管施設のコンセプトは、そういった考えの渦に人々を招き入れる素晴らしいモデルです。「これは家に置いておくほど重要じゃない」とあなたが言えば、もう既に最初の一歩を踏み出しているのですから。

何かが長期に渡って放置されているなら、それは使われていない資産となります。保管庫にたた放置され、そのための費用を無駄にかけているモノがあるなら、貸し出す方が理にかなっているでしょう。

このような未来型のシェアリング・エコノミーは、消費型で物質主義の考え方からわたし達を遠ざけることになるのでしょうか。所有権に対する考え方を変えるほど、人々はシェアリングに慣れることは出来るのでしょうか。トークン化とそれによって実現する所有物やアートや不動産の分割所有権は、消費至上主義の新たな形を見出すことが出来るのでしょうか。

おそらく、西洋の社会はそのようには出来ていません。そのため、所有についてどのように考えるかの大きな変革となるでしょう。

そういった調整をすることは不可能ではありません。

考え方の調整

モノの所有権についての考え方を変えることは可能なのでしょうか。

わたしは自分の経験からその答えを知っています。サンフランシスコに初めて移ってきたとき、整備業者の従業員がわたしのアパートに強盗に入りました。彼は祖母から受け継いたわたしの宝石を取っていきました。結局強盗は捕まりましたが、宝石は返ってきませんでした。その強盗の後、わたしは自分が気にかけすぎるようなものは所有していません。

この出来事があったから、シェアリング・エコノミーの概念を簡単に受け入れられました。わたしが倉庫に入れたモノが、他の人に貸し出されても気にしません。そのモノに対して感情的に入れ込んでいないからです。

もちろんわたしと同じように考えない人もいます。でもわたしと同じように考える人もたくさんいます。

今後数年でシェアリング・エコノミーがどこまで行くか、またブロックチェーンがどのようにそれが安全で円滑なシステムになるのを手助けするのか、非常に興味深いですね。

Quora(2018年4月11日)

翻訳 from
How Blockchain Will Change the Sharing Economy