ブロックチェーン農業がもたらす変革 – 農業と食料

通常であればブロックチェーンは、仮想通貨(暗号通貨)と結びつけて考えられることが多いですね。しかし、ただそれだけの技術ではないのです。その基盤において、ブロックチェーンはあらゆる種類のデータや契約を処理出来る技術プロトコルである、ということは覚えておく価値があるでしょう。これが意味するのは、ブロックチェーンは追跡情報や契約実行が必要とされるような、多くの既存の産業において使用事例を持っているということです。世界で最も古い産業においてさえも使用事例を持っています。つまり食糧生産という産業においてでもです。ブロックチェーンによる農業変革は目前に迫っています。

あなたにもし農業経験があるなら、それが多くの不確定要素、慎重なタイミング、季節的に変動する財政構造を抱えた複雑なエコシステムだということを知っているでしょう。しかし、ひとたび食料が農場をはなれれば、もうそれは多くの取引主体が存在する幅広いサプライチェーンの一部分になってしまうのです。買い手、売り手、流通業者、スーパーマーケット・チェーンたちはみんな、食料がいまサプライチェーンのどこを旅しているのかを知りたいと思っています。あなたもおそらく、食品をスーパーで買う時にそれがどこから来たのかを知りたいでしょう。

ブロックチェーン農業に向かっている今のトレンドが約束するのは、食料の生産・流通の各ステップがより単純になるということです。全ての関係者が、農業サプライチェーンにおけるただ一つの真実の情報源を共有することが出来るのです。この記事では、ブロックチェーンが農業をどう変えるのか、4つの重要な方法を説明します。

調達の追跡

農業産業における大きな課題は、生産物の追跡と配送への支払いです。たいていの場合、巨大な多国籍企業が数千トンもの生産物を受発注するという形になっています。現在のほとんどのケースでは、このプロセスは商品配送を調整する現地のサードパーティに頼っています。売り手は商品の配達を保証する代行業者に委託しているでしょうし、買い手に対しては配送を検査し支払いを促す代行業者が存在するでしょう。

ブロックチェーンを使えば、この地域の販売代行業者のシステムは1つの分散型台帳に置き換えられ、単純化されるでしょう。生産物の買い手は供給者と直接取引が出来るようになり、即座に送金可能になります。かつては支払い完了まで数週間かかることもあった書類によるプロセスが迅速になるのです。それに加えて、企業は仲介業者に支払う手数料を節約できるようになり、生産物を育てた農家はより多くの金額を受け取ることが出来るようになります。

Louis Dreyfusという企業は最近、初めてのブロックチェーンによる農業生産物の取引を行いました。彼らは6万トンのアメリカ産大豆を中国政府に販売しました。その取引を知る人によれば、ブロックチェーンを使ったことで配送にかかる合計時間を80パーセントも削減出来たとのことです。全ての取引にかかった時間はたったの1週間でした。

またこういった配送取引には、配送の状態や支払いなどにおいて複雑な同意事項が存在することが多いです。それらはスマートコントラクトによる管理の対象として完璧に合致しています。スマートコントラクトが農業においてより広く使われるようになるにつれ、農家が仲介業者なしでレストランや個人にさえも直接生産物を販売することが出来るようになるでしょう。

商品の起源とサプライチェーン

あなたが購入したオーガニック商品が本当にオーガニックかどうか、どうやって確かめられますか?

昨年アメリカの監察官が発見したのは、何百万ポンドもの偽のオーガニック商品が毎年アメリカのスーパーマーケットに流入している可能性があるということでした。これは消費者にとってだけの問題ではありません。本当にオーガニック商品を生産している農家たちの努力を無駄にしてしまうことでもあるのです。

その結果、商品サプライチェーンの信頼性を確かめられるシステムに対する目線が熱を帯びてきました。その面においては、ブロックチェーンは素晴らしい選択です。農家たちはブロックチェーンを使って品質保証されたオーガニック商品を台帳に記録します。消費者たちはお店に並んだ商品を手に取り、モバイルアプリを使ってリアルタイムに履歴を調べることが出来るのです。

ブロックチェーンによる追跡(トラッキング)を使えば、供給側がコーヒー豆がケニアの倫理的な農場から来たものだと主張している場合に、誰でも簡単にそれが本当かどうか確かめられます。ブロックチェーン農業は、あなたがお店の会計に並んでいる間にでも、スマートフォンを使ってコーヒー豆の農場生産からコーヒーショップまでの履歴を直接追跡することを可能にします。

規制の面では、これはまたUSDA(アメリカ合衆国農務省)やFDA(アメリカ食品医薬品局)の仕事をかなり簡単にします。もし食料供給において汚染があった場合、それがどこから来たのかを追跡し、関連する商品をリコールすることがとても簡単になるからです。その結果、規制当局は食料が原因となる病気をとても素早く隔離することが出来ます。

多国籍企業のパワーを分散化する

今の農業産業は多国籍企業によって支配されています。彼らは多くの場合、市場における最大の買い手です。そのため彼らは価格を決めたり、農家たちにシーズンごとに何を育てるかを命令出来てしまうのです。しかし、ブロックチェーン農業により、零細企業やコミュニティによってスポンサーされた農業が拡大していくでしょう。

現在、コミュニティによりスポンサーされた小規模な農業協同組合が存在します。このアイデアは、あなたがまず農場のシェアを購入し、そうすると農家たちが生産物をそのシーズン中直接あなたに届けてくれるというものです。このアプローチの利点は2つあります。1つ目の利点は農家たちがシーズンの最初の段階で資金を得ることが出来るため、農業に投資することが可能となったり1年に渡って財政面が安定するということです。2つ目は、消費者たちが購入先の農家たちを知ることができ、安く、旬の、地元で育てられた農産物を得られるということです。

ブロックチェーン農業はコミュニティによりスポンサーされた農業プロジェクトの運営における課題である、ガバナンス、分配、株式保有の問題をある程度解決します。トークン化された株式やスマートコントラクトによる分配によって、農家たちと消費者たちが直接つながり、コミュニティによりスポンサーされた農業は非常に効率的な規模拡大が可能になります。このコミュニティによりスポンサーされた農業の全体的なシステム移行自体が、世界中の所有者のいない農場シェアにより自動化され得るのです。

価格の平等化

現在、生産物の購入市場は大きな企業によってコントロールされていて、透明ではありません。その結果、需要、天候、地域生産レベル、仲介業者との関係性によって、価格は大きく変動します。ブロックチェーン農業は主要な生産物の価格付けを、農家と買い手にとってより透明なものにします。

ブロックチェーンに基づいた市場では、買い手と売り手が現在の自分たちの交渉を、最近の似たような取引情報と比較することが出来ます。世界中の農家たちは彼らの収穫物がどれくらいの価値があるのかを決定し、リアルタイムで販売を行うことが可能になります。

ブロックチェーン農業は食料についての考え方を変えるかもしれない

食糧生産がより透明になるにつれ、消費者たちが食料についての賢い選択をするための情報が多くなります。ブロックチェーン農業は食料を安くする可能性がありますが、食料がどこから来たのかを追跡しやすくもします。ブロックチェーンは、本物であり、オーガニックであり、そして地元で生産された食料を誰でも手頃に入手可能にするのです。

BENNETT GARNER著(2018年3月21日)
翻訳 from
Blockchain Agriculture Will Change Farming & Food

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